DJ HAZIME、「将来的に小野伸二とか中村俊輔の代表監督が見たい!」【NO FOOTBALL, NO LIFE #3】

東京を中心に90年代から国内外で活躍するレジェンド、DJ HAZIME氏。実は“超”が付くサッカーフリークで、しかも学生時代には読売サッカークラブのジュニアユースに参加するなど、選手としてもガチの実力を持っていた人なのだ。


ということで今回は、まさかのハリルホジッチ解任というニュースも飛び込んできた日本代表チームに関する話題を中心にお話を伺うことに。インタビューが行われたのは3月中旬だが、HAZIME氏ならではの代表監督論も飛び出したぞ!


■本田選手がはみ出してるように映っちゃうことが問題だよ

—日本代表もそろそろW杯に向けて動き出しました。招集メンバーについてはいかがでしょう?

本田は多分、(代表に)選ばれると思うんですけど、最終的に。


—そういう支柱になるような存在が長谷部(誠)ひとりだと……

足りないよね。キーパー、ディフェンス、中盤、フォワード、各ポジションに一人ずつは“年長さん”みたいな存在がいたほうが、日本の場合はいいかなと思ってるんですね、僕は。何だかんだ言っても縦社会なんで(笑)


—精神的支柱になるような年長の選手を一人は入れておこう、みたいな考え方は海外の代表チームにもあるんですかね?

それは必ずありますね。年長さんというか、経験が豊かな人。勢いだけだったら全員若手でいいかもしれないけど、やっぱり「前回・前々回とワールドカップに出ている人を入れておこう」みたいなのは必ずあります。そもそもサッカーチームっていうものがそうなんだと思います、きっと。普通にクラブチームとかでも支柱みたいな、経験豊富なベテランみたいな人は必ずいるから。


—戦術やプレーの参考にできそうな海外の代表チームはありますか?

メキシコ!長いこと大きく変わってるイメージがなくて、身長もほとんど日本人と変わらないし、アルゼンチンほどテクニックがない気もする。


—なんかちょっと泥臭いイメージもあります。

だけど、グループリーグとかでも必ず2位抜けの予想に入ってきたりするじゃないですか。1位ほどの強さもないけど、「なんか負けない」っていう(笑)


—ものすごいカリスマ選手がいて、とかって感じでもないですよね。

でもやっぱり基本的に、日本人でも可能なことって、技術とかはもちろんですけど“戦う気持ち”って結局、人間誰しもスイッチひとつで簡単に変えられるものじゃないですか。で、メキシコ人は常にそのスイッチが入ってる(笑)。

常に戦える人たち、みたいな。だから球際とかどんな場面でもすごい強いし、「ハリル先生のおっしゃってたデュエルってこのことですか?」って(笑)。それくらいファイターが多い。日本も、そういう気持ちを持つことって不可能じゃないと思うんですよ。


—なるほど。メキシコの現状を考えるとめちゃくちゃ資金を投入してるわけじゃないというか、サッカーどころじゃねえ、麻薬戦争だ!みたいな気が勝手にするのですが(笑)

でも、本田圭佑の試合とか見てると自国リーグもお客さん入ってるし、芝生もきれいだし、ちゃんとメキシコリーグとして運営もされてて、基盤がちゃんとあるように見える。


—サッカーとかスポーツが好きな国民性ではありますよね。

プロレスの次にサッカーなんじゃないですかね。超テキトーなイメージだけど(笑)

でも実際、サッカーで言ったらメキシコかなあ。それ以外だとテクニック重視というか、どうしてもタレントが多い国が強いみたいなイメージになっちゃうじゃないですか。

たとえばブラジルだアルゼンチンだ、ネイマールだメッシだって。でもあれって、作れって言われて無理じゃん!


—かといってスペインやイタリアが毎回調子いいかというと、そうでもないですしね。

イタリアとかも守備はお手本にするべきかもしれないけど、あれを日本でやったとしても点は獲れないかな。0点に抑えることは可能かもしれないけど、勝てない気がする。あとは、一時期みんなスペインを目指してたような気がするけど、どこの国もチームもスペイン代表およびバルサを模倣したかったんだろうけど、みんなできないから(笑)。だから、バルサがまだ強いんだと思うんです。


—なるほど(笑)

模倣したいけど出来ない何かが多々あるから、バルサはまだバルサで、スペイン代表はまだスペイン代表なんだし。言うのは簡単だと思うんですよ、みんなテクニックがあってパスを上手に繋いで、ポジショニングが絶妙でタレントが揃ってて……って。「うん、そうだよね。それはそうなんだけど」みたいな(笑)


—メキシコを目指せばひょっとしたら…

あ、でも優勝はできないですよ。メキシコが優勝できてないように(笑)。

(一同爆笑)

優勝するのはメッシみたいのがいるチームですから(笑)。でも、ホントに「さらに上を」っていうんだったらドイツですよ、間違いなく。目指すはドイツ!


—日本人と性格が似ているとか、よく言われますよね。

初期の日本のサッカー協会はデットマール・クラマーさんっていう、要はテレビがまだ白黒だったころにコーチとして日本に招いたドイツ人の方がいるんですけど、つまり「ドイツを模倣しよう」ということで招いたんですよ、昔の日本代表が。


—奥寺氏もドイツですもんね。ドイツサッカーは昔から基本的に変わっていないんですか?

そこまで変わってない印象ですね。ドイツはなんて言うんだろう、とにかく「スピードとパワー」みたいなイメージ。そこに最近はテクニックが加わって。


—ではメキシコとドイツに学べ、と。

というより、そこは闘争心の問題というか、ハートの開き方の問題じゃないないかな?


—それこそ本田選手のようにですか?

そうそう。だから、ああいう選手がはみ出してるように映っちゃうことが問題だよね。あれがフツーっていうか、サッカー選手ってみんな一生懸命チームメイトに指示を出すし、激も飛ばすし怒ったりもするし。だから「フツーだけどねアレは」っていう。それを、なんか異端みたいに映すほうが良くない。すげえフツーだよ、あれは。


—何か言うたびにメディアが騒ぎますもんね。「本田が孤立」みたいな。

すぐ“暴言くん”みたいな言い方するじゃないですか? それフツーだと思うけどな。


—中田(ヒデ)の頃からそういう風潮はありますよね。

ああいう「勝とう」っていう気持ちを全面に出す人を異端扱いする傾向はある気がする、ずっと。それを全面に出して何が悪いの?って思いますよね。皆の目に“ファイター”として映ってる人っていうのかな(笑)、そういう人はやっぱり必要だと思うんですよ、絶対。


■注目してる代表選手は柏のGK・中村航輔

—ではグループH(コロンビア、セネガル、ポーランド)、それぞれの代表チームで気になる選手はいますか?

ASモナコのラダメル・ファルカオとか、コロンビアはスター選手だらけ。他にもハメス・ロドリゲスとかフアン・クアドラードとか・・・


—強敵どころじゃなく、かなり差が開いているんですね!

そんなイメージだね、タレントだけなら。


—コロンビアって、我々の世代だとバルデラマとかイギータの印象が強いですよね。

波があるんですよね。あの世代の後に微妙になっちゃって、でも今の世代はめちゃめちゃ強いんだよ。


—ポーランドもバイエルン所属のロベルト・レヴァンドフスキがいますし、セネガルにはリヴァプールFC所属のサディオ・マネ…

キレッキレだよ、そいつ(笑)


—では、今の日本代表で気になっている選手は?

純粋に選手として注目してるのは……キーパーの中村航輔。僕は彼をスタメンにしてほしいんですよ、もう。柏レイソル所属で、まだ若いんですけど、彼を今回ちゃんと起用できればあと10年、W杯3回分は安定したキーパーで戦えるじゃないかなと。


—若手といえば、ポルトガルで活躍している中島翔哉(ポルティモネンセSC)はどうでしょう?

彼はバリバリのCFというよりは半分後ろ、FWとMFの間みたいなポジションですね。香川とかと一緒。今回は原口とか宇佐美とかもいるけど、どうしてもサイドのプレーヤーってイメージがあって。だから岡崎みたいな点取り屋がいないことが気になりますね。

岡崎はケガもあったんでしょうけど、ホントどうすんだろうな~? って。とにかく、気になる選手は中村航輔ですね。彼をスタメンにしてほしい。

でも改めて見ると、こんなに日本代表メンバーが海外のチームにいるんだな~って思いますね。


—確かに!昔じゃ考えられませんでしたよね

ドイツに多いのはドイツに合うっていうのと、香川が切り開いたっていうところですよね。まあこんなこと言うとね、ある世代の人たちには「奥寺だろ!」って言われるでしょうけど、だいぶ(世代が)離れてるし国も変わっちゃったし……みたいな(笑)。だから評価という意味では香川なのかなと。


—確かに、中田や俊輔の頃はみんなセリアAでしたもんね。

そうそう、今はみんながドイツ。変な話、酒井宏樹だってドイツきっかけでマルセイユにいるわけだし。みんな、とりあえず入り口がドイツになってる。


—キッズたちにも「ドイツを目指せ! スペインを見るんじゃない!」と?(笑)

でも、若いうちに行ってほしいのはスペインですけどね。


—スペインで1対1や足技を磨いてドイツでフィジカルを、みたいな?

そうそう、それくらいのほうが。やってて楽しいのはスペインとかブラジルのサッカーだと思うし。


—で、最終的にメキシコに行ってメンタルを鍛えるとか。

ここにきてメキシコ選んだ本田とか、やっぱり良いよね(笑)


■小野伸二が監督してる日本代表とか、純粋に見たくない!?

—HAZIMEさん的に監督はあの人が良いんじゃないか、みたいな人はいますか?

ちょっと難しいですけど、日本人に監督やってほしいんですよ。割と長期政権でやってほしい。4年おきに代表監督が変わるのが少し嫌で。例えばドイツを目指して「ああいう基本姿勢でいきましょう」って決めたなら、少なくとも8年、2期くらいは任せられるような日本代表監督を選んでほしい。


—そのうえでっていうと、誰になるでしょう?

さっきも代表選手がいろいろ海外に行っててすごいって話になりましたけど、要は今の代表監督に向いている世代の候補の人たちって海外に出たことない人ばかりで、今の選手と比べて実績がまったくないんだよね。だからナメられちゃうんですよ、変な話。


—なるほど……!

仮に「海外では~」みたいな話をしたところで、選手たちは内心「知らねえ奴が何言ってんだ」って思っちゃうでしょう(笑)。そう言われない人じゃないとダメだから。まだ先の話になっちゃうけど、例えば俊輔とか来年40歳でしょ? それだけバリューと実績が備わってる人に長期政権でやってほしい。あり得ないだろうけど中田ヒデとかね。


—それこそ黄金世代が引退したら……みたいな話ですよね。

外に出てない人に外との戦いを指揮させるのは、ちょっと理に叶ってないかなと。だから、例えば長谷部が引退して10年後に代表監督とか、すげー見てみたいですよね。


—実際、俊輔はあり得そうですね!

俊輔に指導されたら、一緒にプレーしたことない若い選手にも「あの人が言ってるなら間違いない」って思わせられるでしょ、きっと。


—たしかに、俊輔がジュビロ磐田で再び覚醒したのも……

やっぱり名波監督だからというところもあるでしょう。基本サッカーやってる奴ってみんな生意気だから「やったこともねえ奴に言われたくねえ」って思っちゃうんじゃない(笑)。

俊輔以外にもシドニー五輪世代の小野(伸二)とか稲本(潤一)とかが、あと数年で引退して監督になるのであれば……。小野が監督してるチームとか、純粋に見たくない!?


—それは見たいですね!

ね、8年後とかにね。アンダーの監督から始めて、とかさ。日本サッカーの次のステップが始まる気がするよね。……なんか、すげーイイ話しちゃってるよね?(笑)

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