DJ HAZIME、「ナントカジッチさんは、何がしたいんだか分からない!」【NO FOOTBALL, NO LIFE #2】

東京を中心に90年代から国内外で活躍するレジェンドDJ、DJ HAZIME。そんなHAZIME氏が、実は“超”が付くサッカーフリークだ。しかも学生時代には読売サッカークラブのジュニアユースに参加するなど、選手としてもガチの実力を持っていた人なのだ。

ということで今回は、知られざるDJ HAZIMEのサッカー遍歴についてお話を伺った。自身のルーツから読売の先輩・キングカズとのアツい秘話、そして日本代表への想いまで、サッカー門外漢も必読のインタビューをどうぞ。


■サッカーは分かりづらい戦術のチームがデカいことやった試しがない

―現在の日本代表はどうでしょう。気になる選手はいますか?

HAZIME:全員ですね。あえて言うなら本田(圭佑)。「(代表に)呼ばれんの!?」っていう。


―HAZIMEさん的には呼んでほしいですか?

HAZIME:……どっちでもいい。

(一同笑)


HAZIME:だって、勝てばいいんだから。「本田が来なくて良かった」っていう結果を出してくれれば、みんな呼ばれなかったことなんて忘れるだろうし。呼んだら呼んだで負けた時に「なんで呼んだんだ!」って言うし。その時にならなければ分からないよね。だからどっちでもいい(笑)。ただ「気になる」っていう意味では本田。


―では過去の日本代表についてはいかがですか?

HAZIME:全然ベストではないですけど、結果的にも方向性的にも一番わかりやすかったのはトルシエだったと思います。


―おお、ちょっと意外ですね!

HAZIME:例えば“フラットスリー”とか、みんながパっと思い出せるような戦術を、まず持ってたじゃない。それが良いか悪いかで判断できるじゃないですか、知ってる人も知らない人も。

詳しい人はフラットスリーの弱点を見出したり良いところを褒めたりするし、そんなに知らない人でも「今のってディフェンスがダメだったんでしょ?」って一言で理解できちゃうような。そんな割と幼稚な戦術を、良くも悪くも使ったっていうのが(笑)。ダメだったら「フラット~が機能しなかったから点取られた」で終わるのは良かったんじゃないですかね。一応(W杯の)決勝トーナメントにも行ってるわけだし。


―良くも悪くも明確だ、と。

HAZIME:そうそう。だから今のナントカジッチさんとかは、何がしたいんだか全くね……(笑)。その“デュエル”ってなんだよ!? みたいな。よく分かんない。それを説明しなきゃいけない時点でダメだよ。


―ではオシムはどうですか?

HAZIME:オシムは難解すぎて、それこそ「なんなの?」みたいな。みんなが漠然と「すげー難しいことやらせるおっさん」としてしか記憶してないと思うんですよ。難しすぎて、どういうサッカーだったか誰も分かってなかったというか。

でも代表監督なんて「なんなの?」の繰り返しでもあると思うんですよ、何をやっても。ただ、オシムは難しすぎたし、トルシエは分かりやすすぎたし、ナントカジッチさんはもう論外、みたいな(笑)

代表っていうのは内容よりも勝ち負けだから。「こういうことをして勝ちます」って言ってくれてるほうが良い気がする。要は政治家と大して変わんないと思うんだよ、代表監督なんて。「こういう公約掲げて選挙に勝ちます」みたいな、それ以外ないから。


―確かに成功しようがしまいが「そういうことをした人」という印象は残りますよね。では岡ちゃんはどうでしょう?

HAZIME:岡ちゃんは何も言わなかった分、結果だけで「よく頑張ったね」っていう。公約ナシで、ただ「がんばります!」みたいな。みんながどう思ってるかは分からないけど、俺は嫌いじゃない(笑)


―当時は「カズ外し」なんて叩かれたりもしましたね。

HAZIME:普通に「どうすんだろう!?」と思いました。「城と心中だ!」とか言って。


―HAZIMEさんは、カズさんには特別な思い入れがあるわけじゃないですか?

HAZIME:でも、好きだからこそ「もうそんな姿見たくない」みたいなのもあったし。岡ちゃんが悪いとも思ってないよ。


―ではハリルホジッチがもし大きな結果を残したら……?

HAZIME:サッカーって、それがないから面白いんだよね。もにゃもにゃしたこと言ってる監督とかチームが、デカいことやった試しがないから。


■代表戦だけは難しい。彼女のことは好きだけど化粧が濃いと怒る彼氏、みたいな(笑)

―「決勝T出場のハードルを上げろ」なんていう人もいますよね。

HAZIME:うーん・・・下げるのはいいと思うよ。W杯なんてお祭りなんだから。チーム数が倍になろうがなんだろうが、優勝するのは1チームなんだし別にいいかなって感じです。


―今回のグループ分けを見て「いけるんじゃないか?」みたいな声もありますが・・・。

HAZIME:世界的なTOP5というか“サッカーブランド国”ってあるじゃないですか。ブラジル、ドイツ、イタリア、スペインみたいな。それが入ってないだけで「日本勝てる」と思う人たちの多さね!

(一同笑)

HAZIME:「ポーランド? 知らな~い。勝てるんじゃない?」みたいな、そういう空気あるでしょ(笑)


―確かに!(笑)

HAZIME:コンロンビアとかも「前回負けてるんだ。へ~」で終わりっていう。南米でもブラジルとアルゼンチンじゃないってだけなんですよ、日本人からすれば。そこと当たらなかったら勝てるんじゃない? みたいな。

いやいやいや、アルゼンチンより予選の成績上だからねっていう(笑)。その「知らないから勝てる」モード? ありがちですね。


―確かにそれで何年もやってきてますね(笑)。

HAZIME:ずーっとそれ。そう考えれば今回は良い組ですよ。みんなが知らない国だから期待が持てるっていう。でも大事だと思います、その「勝てる!」っていう気持ちは。グループ分けが決まった時点で「日本絶望!」なんて見出しよりも「行けんじゃね?」みたいなほうが。

やっぱ言っても4年に一度のお祭だから。せめてわくわく迎えたいというか、マスコミにしてもそれを煽るのは悪くないと思う。

もちろん勝ってほしいですよ、常に。日本に優勝してほしいと思ってるし、負けてほしくはない。ただ現実とそれは別の話ってだけで。

まあ、サッカーのそういう、リアルなところが好きっていうか。


―中には「日本代表が決勝トーナメントに進んだら逆に盛り下がるんじゃないか」なんて人もいますよね。「レベルの高い試合を見たいから」って。

HAZIME:それは天邪鬼すぎるでしょう。一勝したら渋谷のスクランブル交差点で騒いだらいいじゃん! みんなであのユニフォーム買ってadidasの売上げに貢献しようよ! って。

(一同笑)

HAZIME:サッカーをあまり知らない人に対して、いちいち微妙な態度を取り続けちゃうと、それこそヒップホップもサッカーもつまんなくなっちゃうと思うんですよ。「知らないと面白くない」みたいな感じで。


―興味を持続してもらったほうがいいですよね、間口の問題というか。

HAZIME:そうそう。結局サッカーだって日本じゃ長年野球の影にいたスポーツだったわけじゃないですか。それをここ20年頑張ってきて、子供たちの「なりたいスポーツ選手ランキング」の上位に入るようになった。

いいんですよ、チャラくて!「分かる人だけでやりましょう」はホントに良くない。


―確かに大事なポイントですね!

HAZIME:チャラいのって大事ですから、今!サッカーがあまり良くわかんないっていう人の気持ち、よく分かりますもん。90分ずっと画面見てて1点も入らなくて「つまんねえなー」っていう。そういう人に「面白さを見出せ」なんて言えない。それこそ野球で1点も入らなかったらつまらないし。「ゼロゼロの攻防が~」なんてのは好きになってからの話で。まずはボコボコ点が入ったほうが楽しいに決まってる。


―好きな選手とかを見つけるのが先ですよね。

HAZIME:だから、ちょっと変わった選手がいたほうが面白いというか。野人・岡野みたいに「走ってるだけでなんか面白い!」みたいなのが大事なんですよ(笑)。そういう選手が結果出してくれると、ファンもとっつきやすいしね。


―では戦術がどうこう、という見方はしないんでしょうか?

HAZIME:しない。勝てばいいじゃん?

でも日本代表戦は難しいよね、見方が。みんな優勝しなかったらすごい怒るくせに冷めてるし。代表だけはやっぱり特別ですよ。例えるなら彼女のことは好きだけど化粧が濃いと怒る彼氏みたいな。

(一同笑)

HAZIME:「ガリガリは嫌だけど太ったら怒る」みたいな。そんな感じだよ、きっと(笑)

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