【DINARY DELTA FORCEインタビュー】国内外問わず色んな人をロックできる

DLiP RECORDSを拠点に、近年はメンバーのソロ作やユニットでのリリースが続いたDINARY DELTA FORCEが、BOOT CAMP CLIKはじめ数々のレジェンドと曲を残すN.Y.ブルックリンのプロデューサー・MARCO POLO制作のもとサードアルバム『EVERYONE D NOW』を完成。2015年にツアーで来日したMARCOと横浜、大阪のステージを共にしたのを始まりに、ブームバップ・ヒップホップへの飽くなきこだわりで結ばれた両者の縁が、ここにアルバムへと行き着いた。トラップが席巻する時代に、彼らがその強固なスタンスを響かせる。盟友・BLAHRMYを含めた新たな動きも見据えた彼らのインタビュー。

――グループでは久しぶりのアルバムですね。

DUSTY HUSKY:4年空いちゃったっすね…まあでもソロやってたりとかだったんですけど。

RHYME&B:ソロとか『D.O.B.B.』とか、DINARY以外で音源出して、DINARYでは出せない色を出せたんで、今回思いっきりDINARYの元のカラーを色濃く出せたっていうのはあったっすかね。ためてたっつうか。

DUSTY HUSKY:DLiP全体でやっぱ一つの考えをしてて、変な話BLAHRMYも俺らと変わんないっていうか、それをずーっと続けたいって感じなんで、この4年間もそういう感じだったと思うっすね。


――そうでしたか。今回のアルバムはMARCO POLOのフルプロデュースですけど、元々彼には思い入れとかあったんですか?

DUSTY HUSKY:たぶんファーストぐらいのインタビューとかでカーリーそ(calimshot)とかも好きなプロデューサーにMARCO 挙げてたりしてたくらいで、元々みんなファーストからずっと聴いてて。それが一緒にやれるならっていう感じで。もらったビートもやばかったんで。


――MARCOに会ってみた印象はどうだったんですか?

DUSTY HUSKY:彼はホント酒もなんも行かない人なんで相当ストイックで。ビートメイカーとして相当ディガーだし、音楽に対しても相当マジメな人っすね。


――へえそうなんすね。それで会ってすぐに一緒にアルバムを作ろうって話になったんですか?

DUSTY HUSKY:ライヴの時は特にそういう話はしなかったっすけど、ホント結構俺のライヴに食らってくれたっぽくて。それで彼のツアーの最後が福岡で、俺らは行ってないんすけど、「MARCOがお前のことヤバイって言ってたよ」って福岡のDJが教えてくれたんすよ。そっから俺が連絡取って。最初は自分のソロでタッグで出そうよっていう感じで進んでたんすけど。


――なるほど。それが形を変えて今回グループのアルバムになったっていう。

DUSTY HUSKY:結局MARCOとの出会い待ちだったって感じなんすかね。出会いを探してたじゃないですけど、次に何か俺らが越えていけるきっかけをずっと探してて。そこで、2015年にMARCO POLOとライヴやって、一緒に曲やろうってなってMARCOのビートが飛んできて、たぶんみんな気持ちがそこに乗ったと思うんですよ。これなら越えれそうって思ったっていうか。それが去年の年末なんすけど。


――実際MARCOからトラックが上がってきてどうでした?

DUSTY HUSKY:最終的に50曲ぐらい聴いた中から選んだんすけど、今回のトラックはめちゃめちゃ好きっす。やっぱ新鮮だったと思うんすよね。それがさっきの話に戻るっすけどきっかけだったと思うんすよ。やっぱNAGMATIC以外でアルバム全曲を頼める人がこれまでずーっとやってきてもいなかったわけじゃないですか、やれてないぐらいなんで。それがMARCO POLOが出てきて、気持ちが違うっつーか、そういう意味でも乗せやすいっていう。


――アルバム全体でどんなヴィジョンを持って臨んだんですか?

DUSTY HUSKY:ヴィジョンってよりかはノリの方がデカいっすね、たぶん。作ってるうちにこうしたいねっていうのが見えてくるっていう。

祀SP:DINARYは4人なんで、1人ががっつり考えてもそれ通りにならないし、作ってって見えてくるって感じで。


――じゃあ制作を始めるにあたって4人の間で決めたようなこともなく?

RHYME&B:結果的に鬼ドープっていう感じじゃない曲も入ってるんすけど、9曲なんであんまりバランスを考えずに、ちょっと偏った感じでも色濃くDINARYのカラーが出せる感じがいいねっていうのは話してて。ビートのフィーリングとか自分らで探したテーマに合ってるかっていうとこを大事にしたっすね。


――MARCOとは具体的に曲のアイディアのやりとりはあったんですか?

DUSTY HUSKY:今回MARCOからビートが飛んできた時点で結構タイトルがついてたんですよ。そこにインスパイアされたのはだいぶあるっすね。「LISTEN」もそうだったし、ほとんどそうっすね。「WHEN IT’S OVER」って最後の曲もそうだったし。

RHYME&B:「1219」も。


――へえそうなんですね。ちなみにこの曲ってなんで「1219」なんですか?

DUSTY HUSKY:要は彼がおととしの12月19日に作ったビートを飛ばしてきたんすけど、自分ら結成日12月19日なんすよ。


――えー、すごい偶然ですね。

DUSTY HUSKY:これヤバイねっつって、翌年の12月19日に録ったんすよね。だからすべてが1219みたいな。

RHYME&B:それだけレコーディングしてる環境も違くて、若干音が悪いんすけど、それでも12月19日に録った空気感がすげえいいかなと思って。


――そうですか。曲のテーマはいつも4人でどういう感じに決めていくんですか?

DUSTY HUSKY:基本的にヤサで4人でビート聴きながら、こんなタイトル、こんなんどうよ?こんな感じで書こうみたいな感じっすね。ずーっとループして2時間ぐらい沈黙して、ビートだけ聴いてる時とかもあったっすね。「今日はもう帰ろうぜ」とか(笑)。今回はリリック書いてダメんなったのも3、4曲あったり。


――アルバム全体の方向性についてお互いに意思統一みたいなことは?

DUSTY HUSKY:それはないっすね。


――じゃあどういうことを書くかはホントにそれぞれ次第で。

DUSTY HUSKY:そうっすね。

RHYME&B:テーマが大まかにあって、ヴァースはそれぞれの角度で書いてくっていう。みんなのヴァースが出来てからそれぞれ細かいとこ直してすり寄せてくとか、そういうのはしなかったっすね。

DUSTY HUSKY:ずーっと一緒にやってるんで、よっぽどのことがないかぎりそんなに視点はずれない。そこが強みだし、他に出せないと思うっすね。地元の空気感があるからそんなにぶれないというか。


――そうなんですね。話変わって、今回のレコーディングはどうでした?

DUSTY HUSKY:今回レコーディングは自分らがいつもミックスやってもらってる本厚木のスタジオだったんすけど、マイクがすげえいいって最初の2曲で思ったんで、すげえやりやすかったし、楽しかったっすね。

祀SP:まあ特別な思いとかはなかったですね。いつもと変わらず。

calimshot:今回まとまって4人でスタジオ入ったのって何曲ぐらいだっけ? なんかすげえケツの方は一人で録ってた感じなんだよね、イメージ的に。なんか一人だったな、みたいな。


――はは。

calimshot:だからこれでOKなのかな?って不安な気持ちで終わってった感じで。

RHYME&B:俺は最初に12インチで出した「F.L.A.Me」と「LISTEN」を作り出したぐらいは4年ぶりのDINARYの制作だったんで、人知れずブランクを感じたとこはちょっとあったっすね、サビの作り方だったり、テーマの決め方だったりとか。でも、その2曲を越えてからはすげえかみ合ってきたと思ってて、最後の方に出来た4、5曲とかはまさにバッチリ息が合ってきたっていうのを実感しながら作ってたっすね。で、すげえかみ合いまくったとこで制作が終わっちゃったっていう。

――はは。じゃあもう次の作品に取り掛かりたいって感じですか。

RHYME&B:単純にこの作品を4人で時間費やして作って、今めっちゃかみ合ってる時だと思うんで、熱が冷めないうちにこのアルバムと同じくらいの曲数とか年内に作りたいとは思ってるっすね。

(一同)おおー(笑)。


――なんか温度差があるような…(笑)。それぞれに出来上がったアルバムについて今どう思ってます?

DUSTY HUSKY:ホント自分が聴いてきたMARCO POLOのビートと誤差がなくて、好きだったビートがちゃんと来たし、それで出来たって感じがある。単純に最近ずーっとループして聴いちゃってるっすね。

RHYME&B: MARCO POLOなんで、国内国外問わずいろんな人をロックできるようなものができたと思ってるっすね。

祀SP:MARCOのファンにも聴いて欲しいし、逆にMARCO POLOを知らない人にも広げたいですね。まあ出来たばっかりだからまだちょっとなじんでない感じがありますけど。ライヴもまだそんなやってないし。

DUSTY HUSKY:たしかにライヴの見えてなさは全然あるっすね。それこそバランスを考えるっていうことはイコール自分の中でライヴの構成を考えたりするっすけど、今回はどっちかっつうとそれより聴くアルバムって気がします。


――このアルバムのリリースに続いて各地をツアーで周るんですよね。

calimshot:ヨーロッパでライヴやりたいっすね。東方見聞録を逆からたどりたいっす。

DUSTY HUSKY:たしかに(笑)。台湾と韓国までは今回ツアーに入ってるんで。


――今後のDLiPの動きについても聞かせてもらえれば。

DUSTY HUSKY:来年はDLiPの6人でアルバムやりたいなっていうのを考えてるんすけど、さっき言ったみたいにDINARYに集中するかもしんないし、BLAHRMYもあいつらはあいつらなりに片づけなきゃいけないことがあるっぽいんで、タイミングなんすけど。

祀SP:自然に作れたらいいなと思うっすね。作ろうっつって作るんじゃなく。自然に出来ちゃったみたいな。それが理想です。


DINARY DELTA FORCE『 SHOW ME YOUR D.D.D.』『F.L.A.Me』『BRAVO』『ガ・イ・シ・ヤ・ス』『FISR』『EVERYONE D』|【AbemaTV】

TEXT:ICHINOKI HIROYUKI

PHOTO:SASUKE

DINARY DELTA FORCE 『EVERYONE D NOW』

【TRACK LIST】

1. EVERYONE D.

2. LISTEN

3. SOME TUESDAY

4. ガ・イ・シ・ヤ・ス

5. BRAVO

6. MA SHOE

7. F.L.A.Me

8. 1219

9. WHEN IT'S OVER

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