HIPHOPアイドル・リリカルスクールがサ上とロ吉、ヤンハス、SHSHI BOYSと対バン!ヤンハスはフィーチャリング逆オファー!?

11月5日、渋谷VISIONでサイプレス上野とロベルト吉野、YoungHustle、SUSHIBOYS出演の対バンイベント『MY DATE ON NOV.』が行なわれた。

(ライブ後にはヘッズとともに集合写真)


出演メンバーだけで「楽しいの確定」といった感じのこのライブを主催したのはHIPHOPアイドルユニット・lyrical shool(リリカルスクール)。昨年、スマホ用縦型MVも話題になったリリスクは、9月から3カ月連続で対バンイベントを開催。今回は共演メンバー的にもその集大成と言える回になった。


サ上とロ吉は前日、自身のツアーで般若と対バン。般若の翌日にリリスクという振り幅は凄いが、しかしどちらも同じラップというジャンルではある。SUSHIBOYSがママチャリ、ヤンハスがストロングゼロでラップするのも、アイドルがラップするのもアリなのがこのジャンルの懐の深さだろう。またリリスクはサイプレス上野、かせきさいだぁ、ALI-KICKなどが手がける楽曲への評価も高い。


この日、観客の大半はリリスクのファンだったが、初っ端のSUSHI BOYSから本人たちが驚くほどの盛り上がり。続いて登場したサ上とロ吉が少しだけ残っていた遠慮も「ぶっかます」で取っ払い、ヤンハスで会場がほぼ酩酊状態になったところでリリスクが登場した。


今年、オリジナルメンバーが全員卒業して新体制となったリリスク。一昨年12月に加入したhimeが生粋のラップ好きであるため、彼女のアイデアも取り入れた最近のライブは“HIPHOPアイドル”の“HIPHOP”の濃度がどんどん強くなっている。


次々と発表される新曲では、いわゆるアイドルっぽい振り付けが減っていき、メンバー個々のパフォーマンスに任される要素が増えている。現在、メンバーの衣装はシンプルなジャージやスウェット。リュック背負いっぱなしのタグつけっぱなしで飛びまくり。このライブでも空調のファンに向かって歌ったり、DJブースの横に座り込んでみたり、柱の陰に隠れてみたりと自由な動きを見せていた。


その中でhimeのラップ、アメリカ留学経験もあるrisanoのダンス、minanとyuuの歌声といった魅力も際立っていく。minanは『FRESH!』公式チャンネル内の番組で、KO-neyの指導を受けてMPCによるビートメイクに挑戦する番組もスタートさせるそうだ。


それでいてアイドルとしてのパワーも衰えないのが面白いところ。何しろアイドルが自由に楽しそうにしている姿が可愛くないわけがなく、特にhinakoの一挙手一投足と笑顔が持つアイドル力は抜群としか言いようがない。ここぞというところでの旧体制曲の爆発力も相当なもの。


このライブでは、リリスクはサ上とロ吉の『GET READY』をSEに登場、リスペクトを示したが、この曲は新日本プロレス・東京ドーム大会の公式ソングとして作られた“闘いの序曲”でもある。前日から「やっぱり気合いの入り方がいつもとは違う感じになりますね」(risano)、「もうリハから全部見る!」(hime)と意気込んでいた彼女たちの“HIPHOP真っ向勝負”感を表してもいたのだろう。


新曲中心のセットリストの中で、旧体制からの曲は2つ。『photograph』にはhimeによる日替わりラップを披露するパートがあり、今回は対バン相手の曲をモチーフに。また『FRESH!!!』はhimeが「らっぷをするのはたのしいです!」とシャウトしてスタートする曲。


以前、所属していたのもアイドルラップグループだったhimeは、リリスクでのオリジナルメンバー卒業も含め何度もの危機、紆余曲折を経てステージに立っている。中学生の頃からアイドルとラップにこだわり続けて、今このメンバーと対バンできる、理想形に近い環境を手に入れた。そんなhimeの喜びが詰まった「らっぷをするのはたのしいです!」だった。

(12月19日には、リリカルスクールの両A面マキシ『つれてってよ/CALL ME TIGHT』(通常版、初回限定A盤・B盤)が発売)


彼女たちの魅力に完全にヤられたヤンハスは「フィーチャリングのオファー出して」と逆要求。楽曲提供や共演などで旧体制からリリスクをよく知るサ上は、以前から「アイドルだけどHIPHOP界の後輩という感じで見てますね。あれだけの熱量とマイクさばきはなかなかできるもんじゃない。人としての力が凄い」と語っていた。新体制リリスクとは今回が初共演だったが、ライブ後には太鼓判を押し「来年のホワイトデーあたりにもう一回(対バン)やりましょう。いま決定で」。


ラップもアイドルも偏見を持たれがちなジャンル。リリスクはその両方なのだが、だからこそジャンルの壁も偏見も乗り越える可能性がある。新曲の一つ『DANCE WITH YOU』で繰り出してきたド直球のパンチライン「心変わりの相手はhimeに決めなよ」には、そんな意味もあるように思えてくるライブだった。ヤンハス曰く「(リリスクを)ニヤニヤしながら超ガン見しちゃった」。全員そうなるのが今のリリスクだ。

文・橋本宗洋

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