【餓鬼レンジャーインタビュー】「色んな音楽ジャンルも経験してきた上で、もう一周してヒップホップなアルバムにしたいって」(前編)

長い沈黙を破りリリースされた2014年の「KIDS RETURN」以降、コンスタントなリリースとライヴを展開するヴェテラン・ヒップホップ・ユニット:餓鬼レンジャーが、新作となる「キンキーキッズ」を完成させた。今作のリリースと同時に、彼らと同じように長いキャリアを持つDJオショウの加入も発表され、YOSHIのハードなライミング、ポチョムキンの変幻自在のフロウ、GPの多彩なトラック・メイク、オショウのタイトなスクラッチ、そしてダンサー:タコ神様のパフォーマンスと、更にそのオリジナリティを高め、シーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。その充実ぶりが伝わるような、そしてB-BOYスタンスに立ち返った新作もまた、唯一無二の密度を誇る。これが餓鬼レンジャーだ!


ーー新作の「キンキーキッズ」ですが、タイトルとしてはかなり危険球スレスレな感触もありますね。

GP「これはポチョだよね、アイディアは」

ポチョムキン「思いついた自分も『流石にこれはないか……』と思いながら提示したら、わりと満場一致だったという(笑)」

GP「一瞬心配したけど、何も起こらなそうだもんね」

ポチョムキン「『KIDS RETURN』の時も、映画「キッズ・リターン」のリメイクが公開(「キッズ・リターン再会の時」)されてたんだけど、その時も何も起こってないし、今回に関しても、僕らもKinki Kidsも、このタイトルによって何の相互作用もないだろうなと」

YOSHI「アルバム『DA PONG』の時も、DA PAMPファンが間違って買うかもって言ってたよね」

ポチョムキン「買うわけがない(笑)。なので、今回もなにもなさそうだなと」

GP「とはいえ、『ラッキー・ボーイズ』や「KIDS RETURN」と、『少年』や『ガキ』をタイトルのキーワードにしてきた部分もあるんで、『キンキーキッズ』も自然といえば自然に決まった感じでもありますね」

ーーキンキー、つまり「ねじれた」というタイトルも、らしいと言えばらしいですね。

ポチョムキン「餓鬼レンジャーは『ねじれた人』の集まりだと思うし、変な人が集まって変な曲を作ってるっていう意味でも、しっくり来るタイトルかなと」

ーー今作からDJオショウさんが加入されましたが、その加入の経緯を教えてください。

ポチョムキン「2015年の結成20周年ワンマンから、餓鬼レンジャーは新メンバー募集をやってたんですよ。大真面目に募集してたし、結構応募もあったんですが、歌うことの好きな主婦とか、マッサージ師とか、音楽キャリアが関係ない人ばっかり集まって。そんな折、そういえばライヴをちょこちょこ手伝って貰ってたオショウがいたなと」

ーー2013年の「lyrical school x 餓鬼レンジャー2マンLIVE」など、GPさんのピンチヒッターとして、オショウさんは餓鬼レンジャーのライヴDJもされていましたね。

DJオショウ「時々電話が来て『ちょっとDJやってくんない?』っていう。そういう都合のいい関係が4年ぐらい続いてて」

ポチョムキン「都合のいいDJのオジサンとして付き合ってたんですけど、いい加減オショウが『私って何なの?』と」

DJオショウ「『どういう関係なの、私達』って迫って」

ポチョムキン「それで公認にしたというのが加入の経緯と言えば経緯で」

DJオショウ「頑張れば本妻になれるというのが、僕の加入によって世の中に伝えたいメッセージですね」

ーーメッセージ……。元々、餓鬼レンジャーはGPさんとHIGH SWITCHさんの2DJスタイルだったので、その構造に戻ったともいえますね。

GP「オショウはDJとして僕が持ってないキャラを持ってるし、元気だし、パフォーマンスも最高なんで、戻ったというよりは、餓鬼レンジャーの今までに無かった形が出せるようになったと思いますね」

YOSHI「最初にピンチヒッターでお願いしたときから、とにかくライヴでコケた事がないし、打率が10割のスゲえやつだな、と」

ポチョムキン「オショウがいることで今の餓鬼レンジャーはベストなライヴが出来るんですよね」

DJオショウ「すげ~褒められてるな~(笑)」

ーーただ、オショウさんはマイカデリックのDJでもありますが、そちらはどうするんですか?

DJオショウ「マイカ……デ……リック?」

ーーなんてベタな記憶喪失のフリでしょうか。

DJオショウ「まあ、(ダース)レイダーもTHE BASSONSとか好き勝手やってるし、真田人は登山を頑張ってるんで」

ーー後者はもう趣味ですね。

DJオショウ「僕も餓鬼レンジャーで頑張ろうかと」

YOSHI「オショウは例えばスクラッチであったり、B-BOYスタンスなスキルをしっかり持ってるし、それによって餓鬼レンジャーもよりヒップホップ・ヘッズをくすぐるようなアプローチが出来るようになったと思いますね。だからオショウの加入で、餓鬼レンジャーが250%格好良くなったと思ってます」

GP「これで寿司スクラッチと斧スクラッチを餓鬼レンジャーは手に入れたからね」


YOSHI「無敵だね」

ポチョムキン「もう飽きてきたけどね」

DJオショウ「待て待て待て!(笑)」

GP「じゃあ寿司の数をどんどん増やしていこう」

YOSHI「わさびも多めにして」

DJオショウ「今回は“WASABI”っていう新曲もあるしね」

ーーその新作ですが、先ほどYOSHIさんが仰られたように、今作は再始動後の中でも最もヒップホップ的なアプローチを強く感じる作品だと思いました。

YOSHI「『祭事』や『キッズ・リターン』を経て、色んな音楽ジャンルも自分たちで経験してきた上で、もう一周してヒップホップなアルバムにしたいって。そういった意味では、B-BOY的なアプローチを餓鬼レンジャー流にアレンジした形が、今回は提案出来たと思いますね」

DJオショウ「“NO PLAN B”も、ヒップホップの基本となるラップと太いビート、スクラッチっていうシンプルな構成で作った、ノー・ギミックなヒップホップになってると思うし、それが楽曲としてアルバムの一発目に来る事も重要なのかなって」

ポチョムキン「かつ、このメンツでのライヴを想定すると、ヒップホップ的に芯の太いアプローチがパフォーマンスとして見せられると思ったんですよね」

ーーなるほど。“超越”ではTWIGYさんと呂布カルマさんをゲストに迎えられていますね。ラップ・スキルでビートをしばくようなタフなマイク・セッションは、このメンツならではかなと。

YOSHI「多人数でのセッション・モノを作りたいなと思った時に、例えばTWIGYさんからポチョムキンにマイクが渡る瞬間は、いち日本語ラップファンとして聴いてみたいと思ったのが原点でしたね」

GP「その上で、じゃあ若手も入れたら面白いよね、っていう時に、名古屋出身つながりって事で、呂布カルマくんに入って貰ったら面白いのかなって」

ポチョムキン「『超越』っていうイメージで作品を絞り込んでいく時に、世代とか存在、スタイルとして『超越』って言葉が嵌りそうなメンツだと思いますね、この組み合わせは」

(後編へ続く)


餓鬼レンジャー - 『キンキーキッズ』 【東雲レコーズ(発売中)】

【TRACK LIST】

1. INTRO -超大作イントロ- [Track by GP] 

2. NO PLAN B [Track by NAOtheLAIZA] 

3. 超越 (feat. TwiGy & 呂布カルマ) [Track by GP] 

4. Miss PenPen (FULL VERSION) [Track by GP] 

5. skit -魅惑のコンビニ- 

6. MILF [Track by GP] 

7. 運がYEAH (feat. sequick) [Track by GP] 

8. skit -目指せ!わさびヒーロー- 

9. WASABI [Track by NAOtheLAIZA] 

10. いいすね![Track by GP] 

11 skit -This video has been deleted- 

12. 卒業 [Track by SHIMI from BUZZER BEATS] 

13. アゲマンボ [Track by GP] 

14. シャッターチャンス [Track by SHIMI from BUZZER BEATS] 

15. skit -イケメンの電話- 

16. L.A.S.D [Track by DJ 雪成] 

17. ONE (feat. SUGAR SOUL & JESSE) [Track by GP]


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