NORIKIYO、「ヒップホップの歴史に残る」3時間超のライブ披露 「Bouquet」ツアーファイナルレポート

7月30日(日)恵比寿LIQUIDROOMにて、NORIKIYOのワンマンライブ<Bouquet Tour Final>が開催された。このライブは、今年3月31日に発売されたNORIKIYO7枚目のアルバム『Bouquet』のリリースを記念して、全国15カ所で行われた公演の締めくくりとなるもの。

東京でのツアーファイナルとあって、チケット争奪戦も加熱。前売り券に3万円とも5万円とも言われるプレミアム価格が付くという異常事態が発生した。

開始予定時間を10分ほど過ぎて幕が上がると、そこにはシンプルな白いTシャツ姿のNORIKIYOの姿。いつも通り、一言一句全てが聞き取れるラップでオープニング・パートをこなしていく。6曲目のフックではSHINGO★西成が登場。「パーティやっちゅーねん!満員御礼やっちゅーねん!もっと上げろ!」とフロアを煽り「STAY STRONG」を披露した。

7曲目までノンストップでパフォーマンスを続け「今日は嫌がらせみたいに長いから(笑)」とNORIKIYO。ここから数曲、近年力を入れて来たコンシャスなメッセージを込めた楽曲が続く。幸せとは何か、豊かさとは何か、消費社会や腐敗した政治への疑問などを、若い観客に問いかけるようにラップし、MCでは「2週間経ったら終戦記念日がくる。戦死者を祀った神社や慰霊碑からは”俺の仇をとってくれ”ではなく”同じことを繰り返すな”って声が聞こえる気がするんだ」と平和への思いを語った。

ここで登場したのが、KEN THE 390とZORN。KEN THE 390との共演曲「Make Some Noise」、ZORNとの共演曲「Learn2Learn」を披露。さらにAKLOとOMSBが連続で登場し、ライブ初披露だという「Hey Money(Remix)」をラップした。

ZORNとOMSBが退場すると、続く楽曲では「Big Shout to the 相模のドン!」と吠えながらSALUが登場。「俺がぁ?ドン?」と照れ気味のNORIKIYOに「(でも)俺が初めてギャラもらったのNORIKIYOさんですからっ!」とSALU。良き兄貴分としてのNORIKIYOを垣間見させてくれた。

さらにシークレットゲストとして、昨日フジロックフェスティバルに出演したばかりだというPUNPEEが現れ、新たに共作したという楽曲を披露。伝説のロックバンド、ザ・ブルーハーツにオマージュを捧げたフックではオーディエンスが大合唱状態に突入した。

その後、WATT、サイプレス上野、往年のSD JUNKSTAを思わせる神奈川の若手ラッパー集団D.L.I.P.らが入れ替わり立ち替わり現れて曲を披露していく。さらに「これから起きることはヒップホップの歴史に残る。自分のステージでこの人たちとやれるのは光栄」とNORIKIYOが語ると、DABO、MACCHO、般若が登場。「Beats&Rhyme」のイントロが流れるとフロアはオーディエンスの熱気で沸騰状態に。

さらに数曲を挟んだ後に、もう一人のシークレットゲストとして、先日カムバックしたばかりのBESが登場。丁寧に、そして何より楽しそうにラップするBESの姿を見て目頭を熱くしているヘッズも少なくなかった。

ステージにピアノが持ち込まれると、シンガーのSAYが登場。ピアノの生演奏をバックに、NORIKIYOとデュエット曲「ロンリーロンリーロンリー」を歌い上げると、途中SAYの夫である般若が3歳になる愛息・響(ひびき)くんを抱いて登場。会場からは温かい声援が飛んだ。

NORIKIYOによれば、今回のアルバム『Bouquet』は「後悔」をテーマに作った作品なのだとか。「後悔は認識して超えていく。乗り越えれば糧になる。失敗や後悔を人のせいにしたり、見て見ぬ振りするのが一番良くない。超えていこう」とNORIKIYOは語った。

今回、ゆうに40曲を超える楽曲をパフォームしたNORIKIYO。3時間を超える長尺ライブとなったが、関係者の話によれば、開場前にもかなり力の入ったリハーサルを3時間ほど行っていたという。つまり合計6時間以上歌っていたにも関わらず、ラストまで声の勢いが衰えることは一切なく、また一度だけ歌詞に詰まって曲をやり直したくだりを除けば、大きなミスは見当たらなかった。見ていて背筋が伸びる、文字通りプロフェッショナルの仕事だったと言っていいだろう。

今回のライブは、プロのエンターテイナーに成長したNORIKIYO、社会を憂う一人の大人NORIKIYO、巨乳バニーガールに鼻の下を伸ばす相模の悪ガキNORIKIYO、そしてもちろん若手、同世代、日本語ラップ界のレジェンドたち、一流ラッパーたちの様々な表情が詰め込まれた特大の「ブーケ」だった。「相模の看板」ノリキヨらしいハイグレードな花束を堪能したオーディエンスは、これ以上ない満足感を胸に家路についたことだろう。


photo:cherry chill will.

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