【RITTO x Olive Oilインタビュー】『イメージが湧いてくるんですよね、Oliveさんのビートは。だからサラサラとすぐ書ける』(前編)

沖縄のラッパーRITTOと、福岡を拠点とするOlive Oilがジョイント・アルバム『アブサン 2014~2017』を完成させた。過去にも共作がある2人のアルバムは、タイトルとは裏腹に、5年越しで完成に至ったものだという。幾多の再会と乾杯を繰り返してきた飲み友2人の気ままな関係と、アルバムへの姿勢は地続き。粘っこいフロウが独特な光を放つRITTOのラップと、ポリリズム的な様々な鳴りさえも端正にまとめあげるOlive Oilのトラックさばきが互いに引き立つ。東京滞在を終え、羽田から飛び立つ直前の彼らに話を聞いた。 


――お2人のそもそもの交流の始まりは? 

RITTO:10年前にOliveさんが沖縄にライヴしに来てて、それでOliveさんの存在を初めて知って、そっから1年、2年後ぐらいに自分ら主催のイヴェントにOliveさん招いて、しっかりしゃべるようになって今に至るみたいな。 

――その時点で一緒に曲作る話も出てたり? 

Olive Oil:そん時は全然。 

RITTO:そん時僕まだギャングだったんで(笑)。 

Olive Oil:ああ悪い子だなあって(笑)。でも、次に沖縄行った時にRITTOが迎えに来てて、車で話したらめっちゃいい奴で。それで曲でも作りたいねーみたいな感じで話してたんだよね。 

RITTO:そうすね。アルバムの制作と同時に、自分の曲でもOliveさんにビートお願いしたいなと思って。それでまたOliveさんが沖縄来た時に迎えに行って、「ビート出来たよ」って言われて初めて聴いて、そっから制作が始まった。 

――それが今回のアルバムの? 

Olive Oil:スタートっすね。なので5年がかり。 

――アルバムのタイトルでは〈2014~2017〉ってなってますけど。 

RITTO:ホントはもっと前から。2012年とかですね。その頃のものはビート変えたり、ラップ乗せかえたりリメイクして、2014から徐々に曲にしていくってことをさんざんやってって、膨大な数の曲になったっていう。 

――じゃあこのアルバムは、全体像云々より一曲一曲っていう感じで制作していったんですか? 

RITTO:そうですね。気がついたら曲いっぱいになってるって感じで。 

――アルバムタイトル『アブサン 2014~2017』の〈アブサン〉とは?

 Olive Oil:あぶない三年間(笑)……っていうのはウソで、お酒のアブサン。 

――つまり、二人の間には酒があるっていう? 

RITTO:酒もそうだし、いろいろと。(アブサンが)アーティストが好きなお酒っていうところもあるし。 

――曲のタイトルもナゾなものが多いんですけど。 

RITTO:それも感覚的な感じで、その場であったものだったり、ひらめきみたいのに近いというか。 

――それぞれのタイトルがその曲のモチーフになってるってことなんですか? 

RITTO:そうですね。Oliveさんに元々いただいたタイトルを自分の思ったタイトルに変えて作ったものもあったり。「PIZZA OKIMOCHI DOZO」っていう曲があるんですけど、これもそうですね。「PIZZA TAKOYAKI DOZO」がOliveさんのつけたタイトルで、それに僕の気持ち重ねたからタイトルを変えて。 

Olive Oil:タイトルもテキトーではないけど、面白い方がいいじゃないですか。それをリっさん(RITTO)がもじってくれたり……なんだろ、でもタイトルに命かけてないでしょ? 

RITTO:そうすね。 

Olive Oil:後付けみたいな感じだよね。 

——モチーフと言われても、一曲一曲タイトルとしてナゾすぎてツッコミはじたらキリがなさそうで……。 

RITTO:それも面白味の一つとして言っていただいて……。 

Olive Oil:めっちゃうれしいっす(笑)。 

――いえいえ(笑)。トラックはその都度その都度送ってもらってたんですか? 

RITTO:っていうわけでもなく、Oliveさんが新しいビートが出来たり、取り組んでるビートがあれば家に行って聴いたり、沖縄に来た時に聴いたりして、こういうの合いそうじゃない?っていうのをパパッと決めてって。 

――そこでお互いに曲のアイディアや意見のやりとりもあったんですか? 

RITTO:こうして欲しいっていうのはなくて。 

Olive Oil:ディレクション的なのはゼロです。 

――できたものをお互いに投げるっていうことですね。曲の大まかなイメージを話すようなこともなく? 

RITTO:(例えば)「ドラムロールが激しいよ」っていうタッチの言葉だけもらって、あとは聴いて、それに乗せて書いてくだけで、尺を伸ばしてくださいとか短くしてくださいっていう提案もなく、そのものの通り。やりやすいとかやりにくいっていう概念も全く取っ払って生の状態そのままで届けるっていうのがやってて楽しいんで。僕もホントにレコーディングして渡すだけで、どういうふうにしたかだけは軽く伝えて、あとはその一曲に対してのめりこんでやろうっていう作業なんで。 

――Oliveさんの方でもらったアカペラを元に曲の構成やトラックそのものをいじるってこともなかったんですか? 

Olive Oil:その場合はリミックスを作って、「できたよ」って。だから、たぶん忘れてる曲もあるよ、全然。何種類もあって、リミックスも。全然かっちりしてないよな(笑)? 

RITTO:フワフワな感じなんで。まあライヴではがつーんって出す表現が多いので、音源の制作段階はフワフワで、ゆとり持ってシンプルにやってるんすけど。 

――実際の曲作りはどういうところから? 

RITTO:僕は書いてる歌詞があるんで、それをOliveさんのビートにハメてったり、もしくOliveさんのビートありきでイメージしてとかなんですけど。イメージが湧いてくるんですよね、Oliveさんのビートは。だからサラサラとすぐ書けるし、ライヴをモノにするためには書いたものを体に沁みこませないといけないんですけど、それも楽しい。あと1分半だったり2分半だったり、わりと短い曲も好みなんですけど、Oliveさんもそれぐらいのトラックが多くて、その中で景色がいろいろ変わる。ライヴの中で曲順を変えてそのストーリーを変えられるのもやりやすいというか。 

――曲に対する生理が合うというか、結局その辺の感覚をお互い共有できるからこそ一緒にたくさん曲ができるのかもしれませんね。 

Olive Oil:たぶんそうだと思うっすね、感覚的な。 

(後編に続く)


RITTO×OLIVEOIL「GO OKINAWA」 


RITTO×OLIVEOIL「国際チャンプルー」 

RITTO x Olive Oil - アブサン 2014/2017 (SABANI RECORDS/発売中)

【TRACK LIST】

1. GO OKINAWA 

2. LIKE THIS 

3. FUSHIGISUGI 

4. 南波 

5. G0DSTR 

6. PIZZA OKIMOCHI DOZO 

7. NANI YATTENDA RAW... 

8. NOISE 

9. ZENJA TUNE 

10. SOULノ唄 

11. KUSENI 

12. SHI-JAH part.2 

13. PADTHAI 

14. 8183 

15. 国際チャンプルー



続きを見る