【Dungeon Monstersライブ 前編】俺みたいなやつが成り上がりって言って何が悪い!(T-Pablow)

「フリースタイルダンジョン」のモンスター般若、漢 a.k.a. GAMI、サイプレス上野、R-指定、DOTAMA、T-Pablow、CHICO CARLITOが、Dungeon Monstersとして発表した「MONSTER VISION」の発売を記念し「"MONSTER VISION" RELEASE LIVE」が24日、新木場STUDIO COASTで開催された。

イベントのオープニングを飾ったのは、番組のオーガナイザーであるZeebraと司会のUZI。「フリースタイルダンジョン」の収録も行われている会場での凱旋公演で力強く「ウエィヨー」の挨拶を決めた。

Zeebraは「今日はお客さんがなるべくいっぱい入れるように(番組収録で使っている)花道を無くしたんだ」と語る。その言葉通り会場は超満員。さらに先立って行われた大阪公演でのパフォーマンスについて触れ、「今、奴らはキテるからね。そういうやつはオーラが違う」とモンスターたちを絶賛した。1990年代から日本でヒップホップがブームになる時、必ずその中心にいたZeebraだからこそ説得力をもって言えるコメントで観客の期待を煽った。


■不可能を可能にしたモンスターたちに拍手をもらっていいですか?(CHICO CARLITO)

最初にパフォーマンスしたのは沖縄出身のMC・CHICO CARLITO。昨年発表した1stアルバム「Carlito's Way」から明るいナンバーを立て続けにプレイする。安定したラップスキルと声の張りはモンスターの呼び名に相応しい堂々たるものだった。

CHICOは愛嬌のある沖縄なまりで「不可能を可能にしたモンスターたちに拍手をもらっていいですか?」と、このリリースイベントと、モンスターたちを称える。そしてイベントの前日、6月23日が沖縄の記念日であることを語り出した。「本土では知らない人も多いけど、昨日は沖縄戦が集結した『慰霊の日』なんです。次は沖縄から来た俺の目線で歌った曲です」とメッセージ性の強い「Orion's belt」と新曲を歌った。報道だけでは届かない街角の言葉を伝えた、ラッパーらしいパフォーマンスに満員の会場から大きな拍手が送られた。

1. Intro

2. C.H.I.C.O (Album Edit)

3. 那覇のクラブ

4. Orion's belt

5. 新曲


■俺みたいなやつが成り上がりって言って何が悪い(T-Pablow)

2番手は神奈川・川崎のヤングO.G.ことT-Pablow。USヒップホップど真ん中の最先端ビートを、オートチューンを駆使したダーティなフロウと、フリースタイルで培ったラップスキルでガシガシと乗りこなしていく。満員の会場を感慨深げにしっかりと見渡してから「『フリースタイルダンジョン』と『高校生RAP選手権』に出て、俺の人生は本当に変わりました。俺の好きなラッパーにはみんなすごく背景があります。会場には俺がどんな人で、どんな街で、どんな暮らしをしてたか知らない人もいると思うから、この曲を聴いてください」と、「包丁の刺し傷ならタトゥーで消した」など苛烈なパンチラインだらけの「Pain Away」を歌った。

そして「俺の友達は犯されてできた子供」「少し人生語っただけで言われる不幸自慢」「不自由なやつほど沁みて意味をもつのがヒップホップ」「俺みたいなやつが成り上がりって言って何が悪い」とカマしたフリースタイルから、ヒップホップを続ける意味を歌った「City Light」に繋げる。そして「本当に、スポーツじみてるヒップホップなんて糞食らえだよ」と、クラシック「Life Style」でSTUDIO COASTをロックした。

1. Home Boy

2. In My Blood_Hate Me

3. Me Too

4. Only One

5. Pain Away

6. City Light

7. Life Style

■僕はもう30過ぎです。だけど、何かを始めることに遅すぎるということはない(DOTAMA)

「『ダンジョン』で対戦した時に、俺のことを“オカマ掘りたくなるベビーフェースのイケメン”って言ったんですよ」とT-PABLOWから紹介されたDOTAMA。「最初に挑戦者としてこの番組に登場させてもらった時は、まさか自分がモンスターとして関われるとは、ましてやCDまで出させてもらって、それに参加できるとは思ってませんでした」と語る。

彼は“ディスの極みメガネ”という異名をとるほどの口の悪さで、ここまで登ってきた。しかしライブや楽曲になると、彼のディスの支柱になっているのは、知性であることがわかる。この日披露された「謝罪会見」は、謝罪に対する世の中の欺瞞を歌ったもの。彼の視点は非常に鋭く、言葉は知的だ。本人は「僕の曲は9割、愚痴です」と話すが、このスタンスは2000年代半ばにデビューしてからずっと変わらない。「僕はもう30過ぎです。だけど、何かを始めることに遅すぎるということはない。ベストを尽くせば目標を果たせると思います」と語った時の表情は非常に凛々しかった。

1. 楽曲のテーマは「テーマ」

2. 音楽ワルキューレ2

3. Y☆KAI WATCH

4. 謝罪会見

5. ベストソング

■メジャーデビューアルバムからの新曲を披露!(サイプレス上野)

サイプレス上野といえば、ロベルト吉野。1MC1DJスタイルで非常に完成度の高いライブをかますのがサイプレス上野とロベルト吉野だ。フリースタイルダンジョンの入場曲でもお馴染みの「PRINCE OF YOKOHAMA 2016」、レペゼン横浜ボースティングの「ぶっかます」など、安定のパフォーマンスで観客の熱をさらに上げていった。またこの日は9月6日にリリースされるメジャーデビューミニアルバムから新曲「上サイン」(発音は“うえさぃ~ん”)もプレイ。さらに「ヒップホップ体操第二」で参加型のヒップホップの楽しさ存分にアピールし、レペゼン新宿にマイクを渡した。

1. PRINCE OF YOKOHAMA 2016

2. ぶっかます

3. よっしゃっしゃす〆

4. サ上とロ吉(イントロのみ)

5. 上サイン

6. 1PAC(未発表曲)

7. ヒップホップ体操第二

■武器だったら拳もあるけど、それは10年前の話。いまはマイクだ(漢 a.k.a. GAMI)

漢 a.k.a. GAMIのライブはいつもフリーキーだ。この日もバックを務めたDJ BAKUが「新宿ストリートライフ」の出だしを2回も間違えるおとぼけを見せたが、むしろアクシデントを楽しさに変えてしまう。「武器だったら拳もあるけど、それは10年前の話。いまはマイクだ」というフリースタイルが漢の現状を如実に表している。

ちょうどイベントが行われた週の「フリースタイルダンジョン」で漢と晋平太のバトルが放送された。これについて漢は「『本音を言った晋平太に漢も笑顔になって最高だ』とか綺麗事ばっかのコメント見たけど、俺は本音を聞きたかっただけ。」と話している。

1. 何食わぬ顔してるならず者

2. my money long

3. フリースタイル

4. 新宿ストリートライフ

5. shomei

photo:cherry chill will.

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