【YDIZZYインタビュー】「今できる俺の全てで、今の俺のベスト」(後編)

国内外から注目を集めるkiLLaクルーの中心人物としても知られるラッパー・YDIZZYが、待望のソロ・デビューアルバム『DIZZiNESS』を完成させた。すでに規格外と言えるほどの大きな大志を抱いてシーンへと踊り出たYDIZZYに、インタヴューを敢行。まさに彼が生まれ育ったとも言える渋谷・宇田川エリアにて話を聞いた。 



ーーアルバムの制作過程において、はっきりとしたコンセプトはありましたか?

YDIZZY 別にそういう感じじゃない。2年くらい前から作り始めて、最初に出来たのは「TOKYO」。フックの部分を俺が歌ってたら、Chakiさんが「それいいね」みたいな。そっから、Chakiさんがこの曲に合うトラックを作ってくれた。

ーー曲はすぐにできちゃう?

YDIZZY 早い、早い。その日、その場で30分くらいで作っちゃう。でも、そこから詰めていくから、一曲完成するのに結局3〜5時間かかるかな。曲って、そんなに悩んで作るもんじゃないし、時間がもったいないから、思いついたら書く。

ーー「YES」も、ユニークな曲でとにかく中毒性が高いというか…そもそも、ラップの声自体が聴き取りにくいですよね。

YDIZZY あの曲、ヤバイっしょ。ベースの“ブンブン”って音があって、低音をアレンジしながら、それに合わせて「あ、はーい」って超ダルそうに、口ちっちゃくして歌ったら出来た曲なんだよね。

ーーリリックに出てくる“oo是ja”ってどんな意味なんですか?

YDIZZY  “イエス、イエス、イエス”って意味。中国語とドイツ語?とか色んな国の言葉を組み合わせた。

ーー海外でライブを行うことも多いですが、国外のオーディエンスのことも意識して曲を作ることもある?

YDIZZY 海外の反応も気にする…っていうか、どちらかと言うと海外の人に聴いてもらいたいから。「DAMARE」は、フックで”黙れ“って言ってんじゃないですか。でも、海外のヤツらは俺が思いっきり「黙れ」って言ってる時に「ワー!」って盛り上がってんですよ。それ、面白くね?と思って作った曲。

ーーそうしたリアルな体験が曲になって出てくるんですね。普段、どう言った音楽にインスピレーションを受けていますか?

YDIZZY 昔の曲…今井美樹!素晴らしいよね。あとは何?優しい、繊細、そんな日本の曲。“なーつのおーわーりーは…”(筆者註:森山直太朗「夏の終わり」を歌い出す)。

ーー意外な気がします。それは、親御さんの影響なども?

YDIZZY 前は親の影響もあったけど、今は自分が好きでそういうのも聴いてる。

ーー気になっている海外のラッパーなどはいますか?

YDIZZY MAXO CREAMとかXXXTENTACION、CHIEF KEEFとか、結構モロなヤツが好き。毎日聴いてるのはコレ。

ーーアルバム全体を通して聴くと、「B BOY」みたいにオーセンティックなビートもあれば、「Deep Love」みたいなメロウなムードの曲もあって、改めてYDIZZYのスキルに驚かされました。

YDIZZY 普通、なかなかできないでしょ。

ーーどんな人に聴いてほしい、という思いはありますか?

YDIZZY 全員に聴いてもらいたい。このアルバムは、男といるときにも聴ける。車でも聴ける。女とも聴けるし、女が女といても聴ける。いろんなときに、いろんな人に聴いてほしい。みんな、絶対気にいると思う。あと、ヒップホップ聴かないヤツにも聞いてほしい。新しいジャンルみたいに感じてくれるかもしれないしね。

ーー将来なりたいラッパー像みたいなものは?

YDIZZY もう、かっこいいからすでに(理想に)なっていると思う。っていうか、別にどうでもいいかな。“こういうラッパーになりたい”っていうと、他の人と比べることになっちゃうじゃん。でも、初めて日本のヒップホップでメインストリームが俺になる。それで、時代を作れる人になって世界一になりたいという思いはある。

ーースランプに陥る時などあります?

YDIZZY あるでしょ、あるに決まってんじゃん。俺、(曲が)できなかった期間が4ヶ月くらいあったから。でも、その場で自分を見つめ直せて、今があるって感じ。

ーーなるほど…例えば、ヘイターに悩まされることなどもありますか?

YDIZZY 最初はヘイターも気にしてたけど、もう気になんない。て言うかさ、どうせ俺のこと好きになるっていうのをわかってるから。だから、ヘイターがいてもいいよね。嬉しいじゃん、いないとダメ、絶対。

ーーそういった姿勢?考え方?を含め、YDIZZYさんはこれまで日本のシーンに無かったものをもたらしてくれるラッパーのような気がしています。

YDIZZY うん、そういう運命だって思ってるし、結構できると思ってる。期待もされてるから、それに応えないと男じゃないじゃん。でも、もっと(みんなに)期待させるよ。その期待よりももっと上に行けるから。俺、ドレイクとかとフィート(筆者註:フィーチャリング)できると思ってんだよね。だから、ドレイク待ちのところもある。俺はいつでも、可能性を信じてる。

ーー今後の予定は?

YDIZZY アルバムが出たらすぐに、上海に行って、中国でリリースパーティーの予定。あと、『Syndrome Ⅳ』が9月か10月に出るよ。フィートも多めにしてあるから、ファンには嬉しい内容になるはず。でもその前に、7月くらいにはシングルも出したいよね。ていうか俺、いつ落ち着くか分かんないし、今年はkiLLaの動きもあるから、みんな落ち着けないかもね。楽しみにしててよ。


TEXT:Shiho Watanabe

PHOTO:Obara Hiroki

【TRACK LIST】 

 1. MAZU 

 2. DAMARE 

 3. WAKWAK 

 4. OMW 

 5. YES 

 6. B BOY 

 7. In Da Club 

 8. SuperrStarr 

 9. Feel So 

 10. ASU 

 11. TOKYO 

 12. Deep Love 

 13. HELLO? 


YDIZZY - DAMARE (Prod. Chaki Zulu) 

YDIZZY - YES (Prod. Chaki Zulu) 

YDIZZY『Superr Starr』



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