環ROY、NAIKA MC、YOUNG HASTLE、神門、VaVa、YDIZZY、2017年6月新譜レビュー【随時追加】

環ROY『なぎ』(B.J.L.×AWDR/LR2/発売中)


アート系の活動や異種コラボに映画の劇伴、広告等々、近年は文字通りの〈アーティスト〉として広く活動中の彼。4年ぶりとなる本作のたおやかな音楽性はそれ自体心地いいし、ヴィジュアルの打ち出し含めヒップホップ外でウケるのもなるほど。書かれた歌詞、引いてはその志を血肉化するラップ表現の面では深化の余地も大いにありそうなので、次はそれをお願い。


NAIKA MC『犬、走る』(ESPERANTO RECORDINGS/発売中)


『フリースタイルダンジョン』でこの春繰り広げたラスボス般若とのバトルへのアンサーとも言えるよな4年ぶりの音源は、ミニアルバム。いなたいサンプリングのビートで自分のケツを叩きながら、くすぶる心の火ダネを一つまた一つと曲にしている。〈やるなら今しかねえ〉の思いをひたむきなラップに傾けたタイトル曲が、やはり本作を代表する曲といえそう。


YOUNG HASTLE『Gym Time The EP』(FLY BOY RECORDS/発売中)


筋トレ中のイイ顔と、ゴ○ルドジムのロゴをサンプリングしたタイトル字からなるジャケが、過去最高に出オチなYOUNG HASTLEのニューEPは、筋トレの夏にズバリなジム通いアンセム4曲。アミノ酸片手に食事すらトレーニングなガチのストイックぶりに、ガヤ受けするネタもしのばせいつものように聴かせてくれる。もっと欲しい人には輪をかけてイイ顔だらけのPVをオススメ。


YDIZZY『DIZZiNESS』(BPM TOKYO/発売中)


動き加速するkiLLaからYDIZZYがフィジカル初のフルをリリース。YENTOWN脱退後だけにCHAKI ZULUフルプロデュースも意外、ディスコ風やムーディなテイストありも意外だったが、90’s日本語ラップばりの曲にはやっぱそこなのねと。声をかぎりに叫ぶ「Damare」や、〈前しか見てねえ〉と歌う「SuperrStarr」など、自信満々な俺様ぶりも粗削りに輪をかけている。



VaVa『low mind boi』(SUMMIT/6月21日発売)


THE OTOGIBANASHI’Sへのトラック提供や平井堅のリミックスを手掛けた男が自らマイクを握った初のラップ作。調子いいことも特にない日々をゆーるく過ごすさまは、現実から目を背けてるというより、求める自分がそこにあるってことなんだろうと。〈一日中ゲームでもしてたい〉と歌う「Change at Oct」をはじめ、クズすぎるオレには毒な甘美すぎる曲がぞろぞろと。 



神門 『親族』(半袖バイブスレコード/6月21日発売)

3年をかけ制作したという新作は、祖父の死にまつわる様々な風景や思いを曲にしていったもの。死を悲しみとして涙で実感できぬ心を埋め合わせるかのように、彼のラップは今回も情感たっぷりだ。死という〈非日常〉から、〈日常はリリックに溢れている〉と当たり前な日々の素晴らしさを改めて見出すまでを映すアルバムにあって、ほほえましいラス前の「和菓子」はささやかな救いか。



ライター・Hiroyuki Ichinoki


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