【SOCKSインタビュー】ユーモラスなリリックのセンスを身近な生活の場へと持ちこむ2ndアルバム「JAPANESE THAN PARADISE」(前編)

一昨年、AK-69の“A Hundred Bottles REMIX”にDJ TY-KOH、KOWICHI、SIMONと並んで客演したのに続き、暮れには同じ名古屋のトップDJ、DJ RYOWが設立したレーベルDREAM TEAM MUSIC(以下DTM)の第一弾アーティストとしてアルバム「NEVER DREAM THIS MAN」をリリース。

さらに昨年は、新たにDTMのアーティストとなったDJ NONKEY、STEALERとのミックスCDリリースをはじめ、DJ RYOWプロデュースのCBCテレビ開局60周年ソングでのJASMINEとの共演に、同じくDJ RYOWのアルバムでのJinmenusagi、十影との楽曲等々、レーベルの動きとともに活躍の場をさらに広げるラッパー・SOCKS。先頃発表されたYUKSTA-ILLのアルバム「NEO TOKAI ON THE LINE」での好演も記憶に新しい彼が、DTMから2作目となるアルバム「JAPANESE THAN PARADISE」をリリースした。遠くのパラダイスより日々のあれこれ——時にシニカル、時にユーモラスなリリックのセンスを身近な生活の場へと持ちこみ、アルバムはよりストレートなカタチでも届くものとなった。 


——そもそもヒップホップとはどのように出会ったんですか? 

SOCKS:僕らの世代は中学生、高校生ぐらいの時にジャパニーズヒップホップが一個前の盛り上がりを見せてた時代だったので、必然的にいろんな人の影響でヒップホップは聴き出したんですけど、そん中でも名古屋にはヒーローが沢山いたんで。一番のきっかけとしてはM.O.S.A.D.のライヴを生で観てちゃんとラップを始めました。それが17とか。 

——グループD.S.Bを結成するのはその後のことですよね。 

SOCKS:地元の仲間とのつながりで名古屋に共通の先輩がいたので、その人んとこでやろうってなってる時に、僕たちのグループと同い年の2つのグループに名古屋で会って。 

その時、名古屋はどっちかっていうとウエストコーストのヒップホップ文化で、その2グループもウエストコーストの音楽やってて、僕らはニューヨークが好きだったんですけど、同い年なんで必然的に遊ぶようになって一緒にやるようになりました。グループは6MCとかだったんすけど、当時はラフライダーズとかすげえ聴いてたし、大所帯のグループが流行ってたのもあるっすね、名古屋でも何組かいたんで。でも、ホントにガチっとやるようになったのは当時名古屋で催されてたビッグパーティの「MURDER THEY FALL」に出さしてもらったことっすね。(今アルバムに客演参加しているCITY-ACE、THREE-AもD.S.Bメンバー)

——さらにその後、DJ RYOWさんのプロデュースでユニットYOUNGEST IN CHARGEとしてアルバムをリリースすることに。 

SOCKS:YOUNGEST IN CHARGEはD.S.Bの人間とBALLERSやまた違う畑でやってた大体同じ世代で、RYOWさんの研修生っていう感じもありました。それが〈MURDER THEY FALL〉に出た何年か後だったと思います。 

——そしてソロやSOCKSMOB名義の作品を経て、DJ RYOWさんの下、DTMの第一弾アーティストとしての活動が始まったわけですけど、そうなった経緯は?

SOCKS:東京に月イチでRYOWさんがDJで来てたのに毎月付いて行ったり、「DON’T STOP REMIX feat. DJ TY-KOH,KOHH,DIZZLE & SOCKS 」でフックアップしてもらった流れでマイク握らしてもらってる中で、「レーベルやろうと思ってるんだよね。そっから出せればいいね」ぐらいの話させてもらってて。そんなことあんのかなあぐらいに思ってたんすけど、あれよあれよと「出そうか」って。自然な流れでしたね。 

——じゃあ同じレーベルでやっていくにあたって、お互いの音楽的なヴィジョンを話し合うようなこともなかったんですか? 

SOCKS:というより、僕が好きなことや好きな音楽をRYOWさんはわかってくれてるし、逆に僕がRYOWさんのヴィジョンを徐々に理解してったのもあるんで、RYOWさんのムーヴメントの中で一つの歯車になれれば名古屋のラッパーとしては本望なことだし、たぶんでっけえことできるんじゃないかなあっていう。 

——なるほど。一昨年にアルバム、昨年はミックスCDのリリースがあったわけですけど、今回のアルバム「JAPANESE THAN PARADISE」の制作にあたってこれまでと変わったようなことはありました? 

SOCKS:リリックは一曲に対してすげえ書けるようになったし、日本語を大事にしようっていうのもあった。みんなの耳を止めたかったんですよね。「ちょっと待って、どういう意味?」みたいな。だからすごい簡単な言葉でも、それを聴いたみんながまた違う意味を想像するような言葉の組み合わせも考えるようになったし、セカンドミーニング、サードミーニングまで考えて楽しむようになりましたね。 

——前作「Never Dream This Man」を踏まえて今回はどんなアルバムにしようと? 

SOCKS:前作はホント無我夢中で作ったし、DREAM TEAM MUSICっていうのがあったから「DREAM」って言葉をタイトルに入れましたし、夢物語的なところがあったんですよ、理想論というか。そこで今回のアルバムの話になるんですけど、次はその夢から覚めた現実っていう流れに結果的になったっすね。現実見ると、制作が始まった頃結構暗いニュース多かったんですよ。でもそれが現実だし、それを無視して生きれないなあっていうのがあったんで、自分が今見てるものに特化して、自分なりの表現ができたらいいなってのがあった。すごい小っちゃいことをすごい大袈裟に書こうとも思ってましたね。 

——呂布カルマさんとの「All下衆Out」はまさにそれを形にしたものということですか。タイトルは〈大袈裟〉をもじったもののようですが。 

SOCKS:(DJ)NONKEYのビートがまずすげえ大袈裟だったんでそのままの通り大袈裟な曲作りたいなって。ただ、普通に「大袈裟」っていうと「大怪我」(大神(Shakkazombie & Buddha Brand)が’96年に残した日本語ラップクラシック)と引っかかるんで。別にそこ意識してるわけじゃないですし、それを意識して作るならBボーイ、ラッパーとしてはもっとマスターピースに仕上げたいじゃないですか。なんで、ニュアンス変えて、タイトルは英語喋れるYUK(STA-ILL)に相談して、「『大袈裟』って英語風にいうとどうなる?」みたいな。そこから「All下衆Out」で書いて、呂布さんに「大袈裟にやってもらっていいっすか?」って言って。これはリリックすごい書けちゃって3、4回ヴァース変えて呂布さんとやりとりして今の形になってます。 (後編に続く)


“JAPANESE THAN PARADISE”

1. Japanese 

2. KUTABARE feat. 般若 

3. Nobunaga Order 

4. Kahma Home Center With Me 

5. ALL下衆OUT feat. 呂布カルマ 

6. OMOU 

7. Rental Video Lovers feat. CITY-ACE 

8. Stranger In The Kitchen feat. STEALER & THREE-A 

9. KIMAMA MA feat. J-REXXX 

10. Nice & Swoosh 

11. Yuyake feat. E.R.I 

12. Days Of Our Lives 

13. Than Paradise





 



続きを見る