ブリンブリンな歯のアクセサリー“グリルズ”の歴史を「ナショジオ」が真面目に検証

ブラック系アーティストがこぞって身に着ける入れ歯のようなギンギラアクセサリー“グリルズ(Grillz)”のルーツに、あの「ナショナルジオグラフィック」が真剣に迫った。




大自然の驚異や生き物の不思議、文化や歴史などを世界中に届けるドキュメンタリー番組「ナショナルジオグラフィック」のチームが、メキシコのユカタン半島にある海底洞窟で古代マヤ人の骨を発見。すると、その中にグリルズを装着している頭蓋骨があったという。90年代以降にラッパーが流行らせた文化と思いきや、以外にもかなり古い歴史があるようだ。 

この一風変わった文化は、どのようにして今日に至ったのか? そしてなぜ人々はこれを身に着けるのだろうか? 

最初に登場する白人ラッパー、Paul Wall(ポール・ウォール)によると「グリルズをしていると、力と自信を感じることができるんだ」とのこと。いわばタトゥーのような感覚だろうか。実際、何千年も前に始まったらしいグリルズも、当時から富や名声の証として装着されていたらしい。 

中でも高価な金のグリルズは「自分は努力したからこれほどのグリルズを手に入れることができたんだ」という実績と自信の象徴だったのである。 

しかし今日では、グリルズに対して偏見もあるようだ。見た目的に怖い、イカツい、基本的に黒人、特にギャングスタが身に着けているもの、というイメージが主な理由だろうか。では、そもそもなぜ黒人の間で広まったのだろうか? 

アメリカにグリルズが登場するのは80年代初頭。それらはアフリカ系移民が持ち込んだものだったが、意外なことに当時は“虫歯対策”として金が最も安価な素材だったのだという。そのため、経済的に困窮していたアフリカ系移民が多く住むNYのブルックリンやブロンクスで、金歯やグリルズが急激に広まったのである。 

そして、同時期に勃興したHIPHOPムーブメントにより、貧困の象徴だった金のグリルズが一転して力と富の象徴となったのだ。 

そんな中、自らグリルズのブランドを立ち上げたベトナム系移民のジョニー・ダングは、グリルズ界で最も重要な人物の一人。「King Of Bling」「グリルズのマスター」を自負する彼のブランドは、まさに富の象徴である。 

そんなダングの主催するパーティに集まるセレブやアーティストたちはグリルズについて、 

「お祖母ちゃんや叔母がしているのを見て育ったから、本当に普通のことなのよ」 (アシャンティ)

「俺は教育を受けて育ったし前科もない」 

「自分らしくグリルズを着けてるってことは、例えば“車を8台持ってる”ってヤツと何一つ違わないよ」 

「ちゃんと磨いて、ピカピカにして、笑顔を忘れるな、ってことさ」 (ストーン・ザ・ブレッドウィナー/ラッパー、レーベルオーナー) 

と、それぞれグリルズへの愛着を語っている。ギャングの象徴でもなんでもなく、彼らの主義とポリシー、自信と自負、あるいはただ“当たりのこと”だったのである。 

ポール・ウォールは「でも、日に2〜3回はちゃんと歯磨きしないとな。歯が汚くてグリルズも汚いんじゃ話にならないだろ」と忠告する。だらしない不良には、一生グリルズを手にすることはできないのだ。 


8 Ball & MJG - Look At The Grillz (ft.T.I. And Twista) 

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