I-DeA「MY EYE-DeA」#3【サンプリングと現在のヒップホップについて(ドラム編)】

 生きる伝説的ユニット・SCARS(スカーズ)やNORIKIYO率いるSD JUNKSTA、さらにはMSC周りのプロデュースを手がけ、近年ではKOHHやGOKU GREEN、R指定らの作品にも関わるなど常に最前線のヒップホップシーンを支えている日本が誇る最強プロデューサー/トラックメイカーのI-DeA(アイディア)による新連載。


 I-DeAがかっこいと思ったものやスタジオセッションを通しての最新情報などを気ままにお届けする新連載『MY EYE-DeA』。第3回となる今回は【サンプリングと現在のヒップホップについて(ドラム編)】をアツく語る!今回もトラックメイカー&ラッパーにとって見逃せない激ヤバ$HIT情報が満載!とりあえずが合図で、 I-DeA巨匠にビックリスペクトしとけって話だ!


 気づけば日が暮れるのが早くなりました、というか夜が明けるのが遅くなりました。というか寒くもなってきました。


 個人的には近所の銀杏の木がクサくてたまりません。そんな哀愁漂う、そろそろビート作る時間を欲している10月のコラムは、前回に引き続きサンプリングの延長で「ドラムブレイク」についてほざいていきたいと思います。


 世代的に30代以降の人はサンプリングのブレイクが入ってる曲が多かった時代のヒップホップを聴いてきているので、「インピーチ(The

Honeydrippers/Impeach the president)」とか「ビックビート(Billy Garner/Big

Beat)」とか「ゲットアウト(Get out of my life woman/Lee

Dorsey)」とか言ってもわかる人が多いのですがやっぱ若いクリエイターの子は知らない人も多いみたいで…。時の流れを感じます(泣)。といっても自分もそんなに詳しいわけではないので知ってる人にはつまんないかも(汗)。


『The Honey Drippers - Impeach The President 』

『Billy Squier - The Big Beat original breaks』

『Get out of my life woman/Lee Dorsey』

ま、その「インピーチ」も古くは「Audio Two/Top Billin'(87)」や「The Notorious

B.I.G/Unbeliebable(96)」「Nas/I can(02)」など、わりと最近でも「Lloyd Banks/Picture

This(13)」「J.Cole/Wet

Dreamz(14)」と、もっともっと使われてるんですが、ヒップホップの音的な流行の変遷はあれどサンプリングされ続けてるすね。

Young M.Aの「Summer Story」なんかは「インピーチ」ではなく、それをサンプリングした「Audio Two/Top

Billin’」のほうをサンプリングしたり(さらにいうと上ネタは「The Stylistics/You Are

Everything」をサンプリングしてるMary.J.Bligeの「Everything」をサンプリングしてますが)

、ここらへんの大ネタブレイクは使われまくってる分、これから使う人はセンスが問われると思いますw


『Young M.A "Summer Story"』

『Audio Two - Top Billin'』

あと、「Mountain/Long Red」なんかここ数年一番サンプリングされてるんじゃないかってくらいよく耳にします、

Wale/It’s Too Late(16)」、「Dave East/Again(16)」、「Skyzoo/Suicide

Doors(15)」、「J.Cole/Fire Squad(14)」、「Chance the Rapper

Chain Smoker(13)」、「Kendrick Lamar feat. Colin Munroe/No Makeup

(11)」、「Drake feat. Rick Ross/Lord Knows(11)」、「The Game feat.Kanye

West/Wouldn't Get Far(06)」、、、キリがないw


『Mountain - Long Red』

『Wale - It's Too Late』

 ここ10年でもドラムの音から最近だとシャウトの声とかすんごい使われまくってます、それもトラップっぽい曲からサンプリング方面の曲まで幅ひろく。たぶんこの声ネタ、俺が知らないだけで最近流行ってるのかもしれませんw


 もうひとつ個人的に好きな「Get out of my life woman」のことも触れたいと。


 この曲、Allan Toussaint(アラン・トゥーサン)が作ってLee

Dorseyがオリジナルだったと記憶してるんですが、数々のアーティストにカバーされてて、イントロがドラムから始まる曲なんで今でもディグってる時にこのタイトルの曲やってる人いたらブレイク入ってると思って気になっちゃうやつです。


 Lee Dorseyの「Get Out Of My Life Woman」は「Biz Markie/Just Friend」で使われてるんですが、最近の「French

Montana/Figure it Out ft. Kanye West, Nas(16)」は「Solomon Burke」の、「Tyler, the Creator/2Seater(15)」は「Iron Butterfly」の 「Get out~」を使ってて、このドラムブレイクも時代に埋もれることなく使われてる“クラシックブレイク”だと思ってます。個人的に。はい。


『Lee Dorsey - Get Out Of My Life Woman』

『French Montana/Figure it Out ft. Kanye West, Nas』

 他にも最近出たDave Eastのアルバムで「The Real Is Back feat.Beanie Sigel」って曲で「The Headhunters/God Make Me Funky」のブレイクをローファイにして使ってたり、歌モノですが「Ed Sheeran/Shirtsleeves(14)」は「James Brown/Funky Drummer」のブレイクをいい感じにフィルター効かして使ってたり、ドラムブレイクのサンプリングもこれまたヒップホップのビートを作る上で重要なファクターになるなーって思います。


「The Real Is Back feat.Beanie Sigel」

「The Headhunters/God Make Me Funky」

「Ed Sheeran/Shirtsleeves(14)」

『James Brown - Funky Drummer』

 自分、わりと最近まで人の仕事に時間費やしてきましたが、そろそろ自分のやりたいことを形にしたくなったのでこれから数ヶ月、自分の制作に大半の時間を割くわけですが、前回今回と書いたようにサンプリングメインで追求中です、。来月のコラムには自分の制作についてグダグダ語りたいと思います。ではでは。

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