Doggiesインタビュー 巷のラップブームとは対照的に東京の路地裏から獲物を狙うリアル$HIT

眩しい光が当たる巷のラップブームとは対照的とも言える東京の路地裏から虎視眈々と獲物を狙うKNZZfebb、そしてJ-SCHEMEによる新たなチーム、Doggies(ダギーズ)が、昨年待望の復活を果たした知る人ぞ知るハードコアバンド、STRUGGLE FOR PRIDEの1stのタイトル『YOU BARK WE BITE』を冠にしたEPを完成。 

Fla$h Backsの中心人物として鮮烈な登場を果たしてから、新世代を牽引する存在として常にその動向に注目が集まるfebbが見せる新たなスタイル。そして、昨年シーンを騒がせたKNZZによる必要悪とも思える発言は、実に興味深いものだった。この発言の先に一体どのようなアクションがあるのか、どうやら今年もおもしろいことになりそうだ。 EPはフィジカルだけでなく、datpiffにフリーでダウンロード公開もされているので、まずはそちらをチェックしながら読み進めてもらえればと思う。。



ーーまずはDoggies結成の経緯から聞いていければと思うんですが。 

febb:結成は結構前っすよね、実は。 

KNZZ:そうだね。いつだっけ。 

MERCY:febbがアルバムを出してwoofinに3人で出てる時には、すでにDoggiesってなってると思うっすね。 

KNZZ:そうだそうだ。その時「Doggiesってなんなんすか」って聞かれて、ストリートチームだって。 

ーーじゃあ、たまたま3人で撮った時に付けた名前みたいな。 

febb:いや、Doggies自体は撮影する前からあって。戌年山羊座っていうのをテーマにして、戌年でなおかつ山羊座じゃないと入れないグループみたいな。 

ーー条件、結構厳しいですね。 

febb:そうっすね、結構絞ってるんで。で、経緯ってなんですかね。 

KNZZ:なんだっけ。 

J-SCHEME:俺が3人とも「戌年山羊座じゃん!」みたいに上がって。じゃあDoggies組もうぜみたいな。 

ーーDoggiesとしての最初の音源は、J-SCHEMEさんが2人の音源を使ってのミックスCDでしたけど、その時からすでに今回のEPの構想はあったんですか? 

KNZZ:なかったよね。レコーディングしたのも結構遅くなかった? 

febb:レコーディングは8月っすね。最初はEPにするとも決めてなくて、曲が集まってきて「これはEPになるだろう」って見通しが立ってから決めた感じっすね。 

ーー3人は普段から遊んでるメンバーですよね。 

febb:まぁ、そうっすね。 

ーーKNZZくんがRECしてる時に、ノリでDogggiesも録っていったのかなって勝手に思ったんですが。 

febb:っていうわけじゃなく、割とDoggiesでやろうって感じで曲を増やしていきましたね。 

KNZZ:トラックもジュンくん(J-SCHEME)から「これでやれよって」指令が来て。 

febb:ジュンくんからの指令で動くんすよ、俺たちは。 

J-SCHEME:表向きはリーダーとして(笑)。 

ーーEPは全部で8曲入ってますがトラックは誰が作ったんですか? SNSで海外のビートが多いと書いてあったのは見たんですが。 

KNZZ:1曲目がfebbだよね。で、2曲目が俺っすね。他は海外のトラックっすね。 

ーーTRAPをかなり意識したと思うんですが、これはどういう考えで。



J-SCHEME:最近は自分もそういうのばっか聴いていたっていうのもあったのと「A-THUGをフィーチャリングしたいね」っていう話からイメージ的に合うのを選んで、みんなに聴かせたらこうなった感じっすね。 

ーーA-THUGと3人が繋がってる印象はあまりなかったので新鮮でした。 

KNZZ:febbはTONYくん(A-THUG)とは? 

febb:俺はレコーディングで初めて会ったっすね。 

J-SCHEME:(池袋)BEDの「MONSTER BOX」にTONYくんが出た時に久々に観て「うぉー、やっぱカッケー」ってなって。そこから昔、宇田川町で溜まって遊んでたことを話してる時に「A-DOGGだからフィーチャリングしてください」って頼んで。 

KNZZ:俺らが若い時の渋谷っていうのがコンセプトとしてあったんすよね。 

ーー2人は昔から知ってたんですね。 

KNZZ:TONYくんとは仲良かったっすね。ON SPOTZもBABY BLUEもあったし。 

J-SCHEME:自分はそん時はグロウ(・アラウンド)で働いてて、ずっと渋谷のあそこら辺にいて。 

KNZZ:ちょうど俺がICE DYNASTYのアルバムを出した時ぐらいとかそんな感じっすよね。 

ーーそうだったんですね。ただ、これまで音源では絡んでなかったですよね? 

KNZZ:確かにトニーくんと曲をやるのは、何気に初っすね。 

ーー”野菜を食べる”ってラインは、昨年聴いたパンチラインの中でも飛び抜けて強烈でした。 

一同笑 


febb:あれはA-THUGがいきなりスタジオにある譜面台の紙に「ヒョウと雪が降る野菜を食べる」って1行だけ書いて「書けた!できた!」とか言って。 

KNZZ:ホント3分くらいだったよね。 

ーーリリックもマーダーな雰囲気全開といったところで。 

febb:きっと好きなところがそういうところなんでしょうね。イーストコーストのサグいラップが好きなんで。 

ーーfebbは、ここ2年くらいGlo Gang周辺にかなりハマってたと思うんですが、その部分が初めて前に出た作品ですよね。 

febb:そういう一面も見せられたらいいなって思ってたんすよね。Fla$h BackSとかソロとは違う一面をDoggiesでは見てもらいたいなって。マイナスな評価とかもあるけど、そういうのは気にせずにプラスな面だけ見ていこうかなって。 

ーー逆に、KNZZさんはソロからの地続きですよね。 

KNZZ:そうっすね。ソロとあんまり変わんないかな。なんで、そのまま2枚目のアルバムを今作っちゃってますね。 

ーーサタニスティックなリリックがさらに進んでるなと。 

KNZZ:俺は元々、ブラックメタルとかも聴いてたんで。 

ーー前にNYでハードコアの対バンで出演したこともありましたもんね。 

MERCY:PAYBACK BOYSの時にフィーチャリングで一緒にライブやってもらったりもしますからね。 

ーーそれにギターリフを使ったトラックも多いですもんね。 

KNZZ:この年まで来て、やっと昔聴いてきた音楽が反映されるようになってきた気がするっすね。febbは10個くらい離れてて俺らが持ってる感性をこの年で持ってるのがヤバイっすね。若いヤツって真似っ子で聴いてるやつが多いけど、こいつは本質をわかってるっていうか。そういう奴ってあんまいないし、その方が話が早くていいんですよね。言わなくてもわかるみたいな。 

febb:そういうリンクがDoggiesにはありますね。打ち合わせの時とかもそんなに悩まないんすよ、それはお互いの趣味とか知ってるからだと思うんすけど。 

ーーレコーディングはどれぐらいかかったんですか? 

KNZZ:10月には終わってたよね。気づいたらミックスも上がってるみたいな。 

ーーミックスはI-DeAさんですよね。 

KNZZ:そうっす。録りもミックスも全部。いつも俺はI-DeAくんにやってもらってるんで、そのままの流れで。 

ーーこれまでの作品もそうなんですね。 

KNZZ:『Z』もそうだし、ICE DYNASTYもミックスはI-DeAさんっすね。技術者のテクニックを見たね。 

febb:勉強になりましたね。 

ーーfebbは自分でミックスもやったりしてるよね。 

febb:そうっすね。現場で覚えながら自分でできる範囲でって感じなんすけど。 

ーービートアルバムも出るもんね。ちなみにそこにはトラップの要素は入れてるの? 

febb:そんなにはないですね。割とソウルとかサンプリングしてるものが多くて、オーセンティックな感じだと思います。今まで作り溜めてたトラック、普段作ってるトラックを選ぶっていうのがコンセプトなんで。 

ーーこれからDoggiesとしての展開はどうですか? 

KNZZ:次はアルバムだよね。 

febb:ですね。 

ーーところで、顔にタトゥーまた入れたんですね。 

KNZZ:こっちも一個増えてて、中が”XX”、”YY”だから、こっちが”ZZ”なんすよ。 

ーーXYZってアルファベットの最後になってるんすね。 

KNZZ:Zが3つだと寝るバージョンになっちゃうからダメだって。どちらかというと寝ない男みたいな感じだから。 

ーー笑。 

KNZZ:ぶっちゃけ顔面に刺青入れると、それだけでやべぇみたいになるじゃん。ぐらいのものかな、俺にとって。インタビューとかPVを撮る時に変化があった方が客も見る気になるじゃないですか。 

ーー外に作品を発表してる人だったら、見られる要素を作るってことは確かに大事だと思います。 

KNZZ:不純って言われるかもしれないけど、アメリカのヒップホップなんて言ったら不純な動機から動いてるわけじゃないですか、誰かと誰かがビーフしてどうのこうのって。だから、みんな顔面に刺青いれちゃえばいいのにって思いますね。 

ーー笑。そろそろEPについての話はまとまってきたんで、KNZZくんをインタビューするならこの質問はどうしてもしなきゃってところで今のラップゲームに対しての不満を聞きたいなと。 

KNZZ:不満しかないですね。2017年は一気に変わりますね、っていうか変えますね。嘘をつきながらラップやってるのがすげぇ嫌だったんですよ。それを今年は提示していきます。 アメリカと同じにしたいですね。日本語でやってるけど向こうに通用するものを。っていうか、俺らの方がやべえだろって思ってやってますね。 

ーーブームと言われる中で、自分の思うヒップホップと違うように世間では認識されていくことに対して思うところはありますか?  

KNZZ:三面記事じゃないけど、ヒップホップの要素にそういうものってあるじゃないですか。言っちゃいけないとか、ダメだって言われたものはやんなきゃダメだと思うんですよね。スタントマンみたいなノリっすよ。わかんないと思うんですよ客は。経験したこともないし見たこともないし、何のこと言ってんだって感じじゃないですか。それをスタント的な感じで「こうやってやってみた結果、こんなんになっちゃいました。こういう風にならないようにしましょう」っていう例としても言いたいし。責任感持ってやってるんで、ラップは。 

ーー大多数の人はそういうことって思っていても言わないけど、なんの躊躇もなく言えるのは単純に強いなって思いますよ。 

KNZZ:実際、リアルな奴は今のヒップホップシーンにはいないと思いますね。リアルだって言うなら◯◯と、◯◯と◯◯とか。 

ーーそこですか…笑 

KNZZ:その中で誰がラップが一番上手いんだって言ったら俺でしょって思いますね。 

febb:カッコイイラッパーがいないっすよね。 

KNZZ:かっこよくないラッパーって最悪じゃない? 

febb:なんなんだろって感じですね。意味不明ですよね。 

ーーそう思ったから、自分たちが本当にカッコイイものを今年は提示していくと。 

KNZZ:そうっすね。見て覚えろって感じだよね。 

febb:俺らを見ていてください的な。Watch us! 

KNZZ:見てもわかんないでしょ。それは時間が経ってから気付くと思うんだよな。 

febb:でもやっぱ普通に見てもおもしろいものってのが俺は大事だなって思ってて。普通の目で見ておもしろいものがカッコイイっていうのがすごい大事なことだと思うんですよ今後。ヒップホップっていう土壌を育てていく中でも。 

KNZZ:基本、ラップがちゃんとしてなかったらダメじゃない? 

febb:そうだと思いますよ、まずは。 

ーーfebbは久々に戻ってきた感じがあるもんね。 

KNZZ:いいリハビリになったでしょ。いい助走っていうか。 

febb:そうっすね。Doggiesでの経験は確実に糧になってますね。俺も今年はがっつりいきたいですね。 

KNZZ:今年ダメだったらダメっしょって。いつもそんなノリかもしれないけど、常にぶちかましてる奴じゃないと無理じゃない? 



TEXT:YAMINONI

PHOTO:小原弘樹

DOGGIES (febb, J-SCHEME, KNZZ)

「YOU BARK, WE BITE」

1. DOGGIES / Top Dog (Prod by Febb) 

2. DOGGIES / No Hook (Prod by MadCrunche) 

3. KNZZ & A-THUG / Doggies gang 

4. FEBB & A-THUG / Running pt.2 

5. doggies & A-THUG / Doggy dog 

6. FEBB / For Free (Prod by Harry Fraud) 

7. FEBB / BITE This game 

8. doggies / Undertaker (Prod by Mass-Hole) MIXED & MASTERED by I-DEA

Doggies gang / KNZZ & A-THUG ~ Running pt.2 / FEBB & A-THUG 

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